効果を最大化させる、オンライン研修設計のポイントとは

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1つ目の記事では、集合研修とe-ラーニング、オンライン研修のメリット・デメリットを解説し、
それぞれの特徴を理解した上での使い分けが必要とお伝えしました。

また前回の記事では、研修をオンライン化していくうえでの手順とポイントについてお伝えしました。
今回は、いよいよオンライン研修を設計するにあたって効果を最大化させるために押さえておくべきコツを、
3つの学習手法を紹介しながら解説します。

行動変容が最大化する!オンライン研修で知っておきたい3つの学習手法とは

. ブレンディッドラーニング(Blended Learning

 

集合研修、e-ラーニング、オンライン研修を組み合わせる学習手法

 ブレンディッドラーニングとは、文字通り「ブレンド(混合)型の学び」です。何をブレンドするかというと、一般的には集合研修、e-ラーニング、オンライン研修の3つです。それぞれの学習スタイルのいわば“良いところどり”をすることで学習効率を上げ、行動変容も最大化してしまおう、という考え方です。なお、集合研修、 e-ラーニング、オンライン研修、それぞれの学習手法の特長については、1つ目の記事に詳しく記載していますのでご覧ください。 
 

上の図をご覧ください。これが基本的なブレンディッドラーニングの型です。
e-ラーニングの「知識学習を手軽にできる」という特長を活用し、事前に基本的な知識について各自学習してもらいます。

次に、集合研修では、「じっくりと議論し、結論をアウトプットする」「受講者へのフィードバック」という集合研修の得意な領域を生かしたセッションを集中的に行い、受講者は実務で活かすための課題設定とアクションプランを立てます。

その後、アクションプランに沿って、各自で職場実践していただきますが、そのフォローアップについては、「手軽に時間をとって、短時間集中の対話ができる」というオンライン研修の良さを生かして実践するわけです。

こういった工夫を行うことで、これまでの単発的な集合研修が、事前準備からフォローアップまで、単に効率的に行えるだけにとどまらず、むしろ行動変容の最大化につながるプログラムに大きく生まれ変わります。これがブレンディッドラーニングの大きなメリットです。

ブレンディッドラーニングは、アメリカでE-ラーニングの普及と共に生まれ、「教育における破壊的イノベーション」ともいわれています。今後、オンラインの会議ツールが浸透することで、今後ブレンディッドラーニングはますます広がっていくものと予想されます。

 




. アクションラーニング(Action Learning

「人は、経験したときに最も学ぶ。」経験学習のサイクルを回す学習法。

アクションラーニングとは、文字通り行動から学ぶための学習手法です。デイヴィッド・コルブという組織行動学者が提唱した「経験学習サイクル」という理論が前提の考え方となっています。

「経験学習サイクル」とは、人が最も多く学ぶのは、研修や誰かからの講義からではなく、自身の経験からである、という前提に立ちます。さらに、人が経験からよく学ぶには、単に経験するだけではなく、「経験→省察→概念化→実践」のサイクルを回すことが重要で効果的である、という考えの上に立っています

アクションラーニングでは、受講者に良質な経験を踏ませ、研修の中では質問を活用して省察と概念化を手助けし、更なる実践へとつなげるよう支援をしていく学習スタイルですそのため研修プログラムも、複数回のシリーズ構成として展開します。

図:アクションラーニングの一例

上の図をご覧ください。アクションラーニングはこれまで、「研修」の部分を対面(集合研修)で実践されることが多いプログラムでした。ところが、オンラインツールの発達に伴い、「研修」の部分もオンラインで集合とそん色なく実施できるようになりました。そのため、アクションラーニング手法も圧倒的に手軽に実施できるようになったのです。

なお、オンライン研修の最大の弱点である「疲れやすく、長時間に向いていない」というデメリットも「短時間×複数回シリーズ構成」で実施することをお勧めいていますので、アクションラーニングとオンラインは相性が良いと言えるでしょう。

これまでは次世代リーダーなど、選抜型の研修のみに活用されることも多かったアクションラーニングですが、今後はより多くの研修に取り入れられ、拡がっていくと予想されます。



3.ピアラーニング(Peer Learning)

講師からの学び(1対n)よりも、受講者同士(nn)が生み出す学びを

「ピア(peer)」とは同僚、仲間という意味です。旧来型の「講師から受講者への一方的な学び」に対して、受講者同士がコミュニケーションを取り合いながら主体的・自律的に学び合うのがピア・ラーニングです単純に集合研修の中で、グループ討議をして学ぶというよりも(これも広い意味ではピア・ラーニングと言えますが)、もう一歩踏み込んで、「受講者同士の学び合う関係性を意図的に築く」ことをここではピアラーニングと呼びたいと思います。

下記にその一例を紹介します。

図:ピアラーニングの一例


ピアラーニングの最大のメリットは、ピアラーニングがそもそも受講者同士が主体的・自律的に学ぶことを目指すため、人間本来が備える学びや成長への意欲を引き出す、というところにあります。その他にも、講師からの定型的な理論学習に留まらず、受講者自身の現実の仕事に即した形で学ぶために実践的な学びとなりやすく、そのため学習のモチベーションも継続しやすい、というメリットもあります。

こうしたピアラーニングも、受講者同士がオンラインでつながり合うことで、実施がしやすくなる学びです。特に「少人数での対話」はオンラインの得意分野ですので、是非積極的にピアラーニングの手法を設計に取り入れることを検討されてはいかがでしょうか


成果を最大化させるオンライン研修の事例

「ブレンディッド」「アクション」「ピア」3つのラーニング手法を組み合わせる

 

ここまでオンライン研修と相性の良い「ブレンディッドラーニング」「アクションラーニング」「ピアラーニング」の3つの手法を解説していきました。
ここからは、これらの手法を実際にどのように活用して設計すればよいのか、下にいくつかのモデルケースを図示します。


図:オンライン研修設計の事例




まとめ

いかがでしたでしょうか。それぞれの事例に「ブレンディッドラーニング」「アクションラーニング」「ピアラーニング」の要素が
すべて盛り込まれていることがご理解いただけましたでしょうか。

今回ご紹介した考え方や手法は、今後オンラインツールの発展、リモートワークの浸透と共に、今後ますます広がっていくことが予想されます。
一方で、すべての研修を今回ご紹介したやり方に一気に変えるのは現実的ではないかもしれません。
まずは、「新人教育だけブレンディッドラーニングを取り込んでみる」「リーダー研修のみピアラーニングを取り入れてみる」、
といったようにできることから取り組んでいってはいかがでしょうか。
 

 

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