背景&課題
B社様のある部門では、従業員に占める50歳以上の割合が50%を越え、様々な問題に直面していました。
・チャレンジ精神の欠如による組織風土の停滞
・体力や気力の低下による、生産性への影響
・本人のモチベーション低下が周りのメンバーへ与える影響 など
人員構成比で50%を越えるベテラン社員の活躍が無ければ、部門の生産性は大きく低下してしまいます。更に今後、定年延長や再雇用制度の拡充などでベテラン社員比率は益々高くなり問題が大きくなることが予想されていました。
お客様との検討プロセス
人事担当者の思いは、組織の生産性向上も勿論大切ですが、「何よりもベテラン社員自身が今よりも、活き活きと誇りを持って毎日の業務に取組み、仕事人生を謳歌できるようになって欲しい」というものでした。
そして「結果として、組織へ良い影響を与える存在になることで、生産性の向上にも寄与できる」というお考えでした。
当初は、ベテラン社員対象の、モチベーション向上の為の研修を実施予定でしたが、“本当にそれだけでベテラン社員が活き活きと働くことができるのか”ということに疑問が沸きました。
いくらベテラン社員が研修を受講して一時的に、モチベーションが高まったとしても、その受け皿である「職場」そのものが変わっていなければ、またすぐに元の状態に戻ってしまう可能性が大きいからです。
提案・施策
当社はベテラン社員への研修だけではなく、別の切り口も提案しました。
ベテラン社員の上司であるマネージャー層を対象とした組織活性化ワークショップを組み合わせることで、職場の風土改革も同時に進めていくというスキームです。
◆ベテラン社員研修
(導入研修と3ヶ月後のフォローアップ)
これからの仕事人生を更に活き活きと充実したものにしていくことを目的とした集合研修
導入研修:仕事人生の振り返りと今後の計画策定
フォローアップ:実践期間の振り返りと軌道修正
◆マネージャー向け組織活性化ワークショップ
(6ヶ月の間に3回のワークショップを実施)
ベテラン社員の活躍推進を含む職場活性化計画を策定し自職場で展開する
1回目:職場活性化計画づくり
2回目:マネジメント力の強化
3回目:成果発表会
効果
・ベテラン社員研修
日常業務から離れ、ゆっくりと自分の仕事人生を振り返ることで「自分もこれまで良く頑張ってきたのだ」という自己肯定感が生まれた方が多くいらっしゃいました。また、同世代のメンバーとディスカッションを行い、悩みや課題を共有することで、それぞれが抱えていた問題の解決に役立ったという声も聞かれました。多くの方が今後の仕事人生に対する何らかのヒントを獲得されたようです。
・マネージャー向け組織活性化ワークショップ
「年上の部下への対応の仕方に自信が無い」「職場風土改革を具体的にどのように進めて行けば良いか分からない」といった多くの悩みの解決に役立ちました。また、プロジェクト期間中の成功体験や失敗体験を共有することで、マネージャー相互が学習し合う良い機会となり、部門全体のマネジメント力の向上にも寄与しました。
また、プロジェクト期間中に、従業員に対して行った意識調査の結果が大幅に改善された職場もあることから、今回のプロジェクトが組織全体の活性化に大きく貢献したと考えられます。
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