小田急箱根ホールディングス株式会社

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左から辻元様、髙橋様、勝又様

『現場を基点とした、サービス向上への取り組み』

小田急箱根ホールディングス株式会社

営業統括部 プロジェクトマネジャー 辻元 伸明様

調査役 勝又 彰様

髙橋 千明様

―まずは、御社について教えてください

小田急箱根グループは、観光地箱根において、多様な乗り物(鉄道、バス、ロープウェイ、観光船、タクシー)による交通ネットワークを中心に、不動産、レジャー、ホテル、飲食、物販、公園、ホテルなど多様なサービスをきめ細やかに展開しています。

当社は「国内外からの継続的な集客」と「来訪者の満足度向上」を経営方針に掲げ、目指すべき姿を「世界に誇る観光地箱根の実現」としています。その実現に向け、「ご利用いただくすべてのお客様の視点に立つ」「安全・安心な輸送と質の高い商品・サービスを提供する」「箱根観光における“わかりやすさ”“まわりやすさ”“楽しさ”を追求する」をグループの基本姿勢、グループ一人ひとりが業務に取り組む上での行動指針としています。


―2017年度から、サービス向上施策として「サービスリーダー会合」を実施しています。

従前、グループ各社から選出されたサービスリーダー(以下、SL)を対象に、外部講師を招いてのサービススキルアップ研修やロールプレイング研修を実施してきました。この取り組みは、参加するSL個人のスキルアップやサービスへの関心の広がりといった面では一定の成果が出ていました。ところが、いざSLが各社へ戻った後、各職場の一人ひとりへのサービス意識や行動への落とし込みにはなかなかつながらず、そもそもの目的である「グループ全体のサービスレベルの底上げ」といった点では不十分な成果だと感じていました。

先ほども申し上げましたが、小田急箱根グループでは複数の業種・業態を抱えており、グループ各社におけるサービスの実態もレベルもバラバラであるため、通り一遍の研修ではなかなかマッチせず、動機付けにはならなかった、という側面もあります。
そのため、せっかく積極的にメンバーが参加しても、どうしても一過性のイベントで終わってしまう、ということになりがちだったのです。

こうした反省を踏まえ、サービス向上にむけては「各社の実態や業態に合わせて進めること」、「最初からグループ全体で大きく動くのではなく、無理なく各職場でできることからやってみること」という方向性を定めました。

そして、そのためにはSL一人が頑張るのではなく、「SLが周囲を巻き込んで」実行していく取り組みが不可欠です。そこで、SLを職場でサポートする「SL補佐役」を任命することにしました。

また「スキルを学ぶことよりも、まずは一人ひとりのサービスマインドを高めていくことが重要」という認識から「いいね活動」という仕組みを取り入れました。
これはサービスにおける一人ひとりのちょっとした工夫や頑張りを「いいね!」と“見える化”し、承認しあうもので、小さな成功体験(ほめられる体験)を通して全社的なサービス向上への機運を醸成する、という狙いで導入しました。

そして、SLの研修プログラムも思い切って刷新しました。その際、サービスへの取り組みは一朝一夕でなされるものではありませんから、3ヵ年の計画としました。
まず1年目は、「自分たちの職場でできるサービス向上へのアクション」を考え、実際に取り組み始めます。2年目はそこでの成果を各社に拡大して各社のサービスレベル強化を図り、3年目はグループとしての横連携につなげ、最終的にグループ全体のサービスレベルの底上げにつなげていく、というシナリオです。


―受講者の反応は?

「いいね活動」については、今後、個社からグループ間での展開に進んでいくのですが、役員からも能動的、積極的な投票をする姿勢がみられ、グループ連携に向けての機運が高まりつつあると感じているところです。

SL会合については、これまでのプログラムとはまったく違う反応が見られました。

これまでは「ロールプレイングでいかに個社を代表して、勝つか」といういわば内向きな視点だったんですね。それが、「お客様がどうしたら喜んでくださるか」「そのためにどんな工夫をするか」という視点に変わったのです。研修の趣旨をよく理解して、SL達が積極的にまた楽しそうに議論されている姿をみて、嬉しく思いました。「無理をせず、まずは一歩踏み出してできることから」という前提からスタートしたのもよかったのだと思います。

一方で、SLは比較的若いメンバーが多いこともあって、「職場での周囲の巻き込み」という面ではかなり苦労をしていました。各職場のメンバーは年上のベテランが多く、上司の受け止め方もばらばらですし、新しく任命されたサービス補佐役に関しても、自身がどこまでサポートすればよいのか、役割が不明確で戸惑っているようにも見えました。

そこで急遽、SLの上司・サービス補佐役へのワークショップを実施することにしました。そこではサービス補佐役とは何をするものなのか?という対話から始まり、SLの取り組み状況の共有、また、SLを孤立させないためのポイントについて話し合っていきました。

こうしたコミュニケーションを地道に行うことで、徐々に取り組み全体の理解度は上がってきたように思います。

―CAの特徴として感じることはありますか?

コンサルティング会社というと専門的な言葉をもとに自分たちの枠組みや商品を押し付けてくるイメージがあったのですが(笑)、CAさんは全然そんなことはありませんでした。まずは現状抱えている問題を親身になって聞いてくれる。私たちがうまく課題を整理しきれていない状況であっても、何度も足を運んでくださいました。そこでの内容を踏まえ、現状や課題について「御社のおっしゃりたいのはこういうことですよね」と整理してくださいました。そんなプロセスを繰り返した上で提案されたものだったので、非常に信頼がおけます。提案というよりも、「一緒に作った」というイメージかもしれません。

講師の方も、ただ教えるというのではなく、受講者の課題を整理し、うまく吸い上げてくださいます。接客や接遇のスキルであればある程度の型・正解がありますが、こういった正解のないテーマでの議論ですから、ファシリテーションのスタイルが必要なのだと思います。受講者のサポートに徹してくれたかと思いきや、足りないところは「それは違うよ」と率直にフィードバックしてくれます。また、メンバーのことをよく見ていて、グループ討議で苦労しているメンバーに対しては、必ず声をかけてくださっています。

受講生に対してだけでなく、われわれ事務局にも合間をみて、さまざまな悩みを聞いて、くださいます。まるで同じ会社の人のように感じています(笑)し、信頼して相談できる方です。

事務的な部分でも、事前課題や資料等、研修への段取りについてもきちんと進めてくださるのはありがたいですね。当たり前のことのようですが、一つひとつがきっちりとしているからこそ、安心して一緒に仕事が進められると感じています。




―観光のあり方も変わり、求められるサービスも変わっていきます

訪日外国人も増え、お客様もさまざまに多様化しています。長い目で見れば観光のあり方もかわるかもしれません。ただ、箱根という観光地は恒久的な価値を持っていると私は思っていますし、そこで事業を展開する当社グループはどのような時代になっても来訪者満足を追求していかなければなりません。サービス向上には終わりがないのです。

そんな中で来年の取り組みは今から楽しみです。少しずつ小田急箱根グループのサービスレベルが上がっていくと期待しています。

箱根は観光資源は申し分ないのですから、あとは私たちのサービス次第です。
自グループが箱根全体のサービスを牽引して、「箱根のサービス、最高だったよ!」とお客様がいっていただけるところを目指したいです。そのための本当にいいチャンスだととらえています。

もちろん企業なので人の出入りもあれば、異動により部署や業種が変わることもあります。そうした中、マインドやスキルをグループとしてどのように維持、または成長させていくかは今後の課題として捉えています。そうした課題解決の仕組みづくりにおいて、今後もお力添えいただきたいとCAさんに思っています。




■編集後記:担当営業より

今回のサービス向上施策を「一緒に作った」とおっしゃっていただいたことが、本当に嬉しいです。ありがとうございます。
実際に、何度も意見交換をさせていただきながら「一緒に」施策を立ち上げ、そして会合が動き始めてからも、振り返りを重ねながら、「一緒に」軌道修正を続けています。

お話にもある通り、「サービス向上には終わりがない」のですから、これからも事務局様の熱い想いを受けとめつつ、担当営業としての熱い想い、そして、箱根大好きの担当講師の熱い想いを効果的に融合させながら、現場の皆様が「お客様のためにサービス向上をし続けることの面白さ」を実感していただけるような実践的なプログラム運営のお手伝いをさせていただきます。

今後ともよろしくお願いいたします!

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