交流と学習を最大化させるために有効な“異業種交流ならでは”のコンテンツを、一部ご紹介します。
ホームタウンミーティング
異業種交流研修とは別に、自社メンバーだけを集めたミーティングで、開催は各社の事務局が行います。
その実施目的はフェーズにより異なります。
研修開始前
学習動機と参画姿勢の醸成のために行います。なぜ、自分が選ばれたのか、どのようなプログラムで、受講後にどのような効果が期待できるのか、そしてそのためにはどのような参画姿勢が受講者に求められるのか、等について事前にオリエンテーションを行います。
研修期間中
前回の会合での学びの振り返り、感想の共有とともに、中間課題の実施状況のチェックを行います。場合によってはメンタル面でのフォローなどもここで行います。
研修終了後
異業種交流研修での学びを事後、どのように業務に生かすのか、人脈をどのように続けていくのか、といった点についてヒアリングをしていきます。
何回もミーティングを行うのは大変ですが、このホームタウンミーティングをしっかりと実施するかどうかで、受講者の学習度、行動変容度は本当にガラッと変わります。異業種交流研修の効果を最大化させるためにも、是非取り入れてみてください。
DNA紹介
研修の前半で、お互いの企業のDNAを紹介しあいます。
実施の目的は参画企業についての相互理解を早いタイミングに、深いレベルで行うことです。
プレゼンテーションのやり方に特にルールはありませんが、ポイントは「HPを見ればわかることは紹介しない」こと。
相手の企業のことは事前に調べてくればそれで、十分です。
その企業に所属している人間だからこそわかる、社風や文化、プチ自慢などを存分にしてください。
発表の仕方そのものにも各社の特徴がみられるかもしれませんね。
現場見学
その名の通り、お互いの会社の現場を見学しあいます。異業種交流研修の中でも特に人気のあるセッションです。
テーマは研修の目的に合わせて調整しますが、「問題発見力」「業務のカイゼン」「活気ある職場づくり」「人材育成」「働き方改革」「5S(整理/整頓/清掃/清潔/躾)」「安全」などの気づきにつながります。
また、メンバー自身の職場を案内してもらうのも大変貴重な経験です。
自分が毎日何気なく過ごす職場が、他社メンバーへの案内で言語化されることで、さまざまなこだわりが詰まっていることを発見できます。「現場への誇り」を引き出すためにも大変有効です。
リスペクトシート
「リスペクトシート」とは他社に対して「イイね!」と感じた点、つまりリスペクトできる点を言語化して相互にフィードバックするために行います。
やり方は簡単です。参加企業のロゴが中心に描かれた模造紙を参加企業数分、用意します。模造紙1枚につき1社のロゴですので、参加企業が4社なら模造紙は4枚になります。記入するのは社名だけでもOKですが、雰囲気を出すためにはなるべくロゴがオススメです。
研修中は常にこの模造紙を掲示しておき、各社への「イイね!」コメントをふせんに記入、貼り付ける時間を設けます。
2~3回これを実施すると、リスペクトシートはふせんで一杯になってきますので、研修の最終日には、これを見ながら「なるほど、自社は他社から見るとこういう風に見えるのか」などといった振り返りの材料にすることが可能です。
なお、リスペクトできる点だけでなくチャレンジしてほしい点を書き出す「リスペクト&チャレンジシート」というやり方もありますが、運営には難しさがありますので、まずはリスペクトシートで実施するのが無難でしょう。
プロジェクト活動
異業種交流研修のメインのセッションとなることが多いのがこのプロジェクト活動です。
研修の目的によって、テーマは様々に設定できますが、さまざまなバックグラウンドを持った異なる企業のメンバー同士でチームを組み、普段考えないテーマについて議論し、アウトプットをしていく難しさを体感することが可能です。
いつもの当たり前が通じないプロジェクト活動ではコンフリクト(葛藤、対立、行き詰まり)が生まれやすく、チーム活動そのものが「リーダーとは」「チームビルディング」の最高の教材になります。
アウトプットに対してのフィードバックを受けて、チームとしての活動プロセスはどうだったのか、自身のリーダーシップはどうだったのか、しっかりと内省の時間をとることがポイントです。
ワールドカフェによる想いの共有
カフェのようなリラックスした安心・安全な雰囲気の中で、結論をだすことを目的とせずに、ゆっくりと対話をする手法です。異業種交流研修以外でもよく使われる手法ですのでご存じの方も多いかもしれません。
ワールドカフェの最大のポイントは①20~30分ごとに席替えを繰り返し、なるべく多くの人と対話をすること、②模造紙をテーブルに敷き、気づきやイラストをカラフルに記入しながら対話すること、の2つです。
詳しく知りたい方は書店にたくさん本が並んでいますので、是非1冊手に取り、読んでみてください。
異業種交流研修の中では主に、「仕事や自社に対する想いや誇りを語り合う」というテーマで行うことが多いです。またなるべく初日に行って、早いタイミングで多くの人と交流・対話をし、全体の雰囲気をつくっていくのにも有効です。
KURUMA-ZA
簡単に言うと、車座に座って全員に対して全員からフィードバックをしあっていく、というものです。異業種交流研修の最終日に行うと効果的です。
これまでの学び、交流を踏まえ、個人個人に対して「あなたの強みはこれで、(次のステップに行くには)もっとここを伸ばした方がよい」というフィードバックをカードに書いて、お互いにプレゼントしあいます。
ここまでの研修でメンバー同士の関係性がしっかりとできていれば、お互いへのフィードバックは、率直に本質をついた内容となっているはずです。もらった人にとっては、かけがえのない宝物になるでしょう。
受講の人数が15名くらいいる場合はこのセッションだけで、丸一日近くかかりますが、やる価値は十分です。